【2025年最新】知らないと違反?テント倉庫の設置基準が厳格化!最新の法律改正まとめ

2025.03.20

2025.7.16

テント倉庫

「うちのテント倉庫、このままだと違法になるって本当ですか?」

先日、製造業のクライアントからこんな不安げな相談を受けました。2025年4月から施行される法改正によって「違法建築」に該当するかもしれないとのことでした。

テント倉庫は手軽さとコスト面で優れていることから企業に広く利用されていますが、その法的位置づけはグレーゾーンのまま運用されてきた側面があります。特に中小企業では「仮設だから」「簡易的なものだから」と思って設置したテント倉庫が、実は建築基準法上の「建築物」として扱われるケースが少なくありません。

2025年4月の建築基準法と建築物省エネ法の改正では、、持続可能な社会の実現とカーボンニュートラルへの取り組みの一環として、省エネ基準の適用義務化や、建築確認申請の必要範囲の見直しなど、テント倉庫にも影響する重要な変更が含まれています。

この記事では、法改正の内容とテント倉庫への影響、そして企業としての対応策を解説します。

テント倉庫とは?法律上の位置づけを理解する

テント倉庫の基本と種類

テント倉庫とは、鉄骨などのフレームに布(メンブレン)を張った簡易な保管施設です。工場の資材置き場や農機具の保管庫、イベント用の仮設倉庫などに利用されています。

小型の車庫タイプから大型の物流倉庫まで様々なサイズがあり、固定型のものから移動可能なものまで多様な種類があります。近年では、断熱性能を高めたタイプや強風・積雪に対応した耐候性の高いモデルも市場に登場しています。

「建築物」と「工作物」の違い

建築基準法上、テント倉庫がどう扱われるかが問題になります。

建築基準法では、建築物は「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの」と定義されています。一方、工作物は「土地や建築物に固定されているが、建築物ではないもの」です。

テント倉庫が建築基準法上の「建築物」として扱われるケースは以下の通りです:

  • 面積が10㎡以上のテント倉庫(建築確認申請が必要)
  • 継続的・恒久的に使用することが前提のもの
  • 土地に固定され、簡単に移動できない構造のもの
  • 電気・水道などの設備が整備されているもの

「仮設だから大丈夫」と思っていても、使用期間が1年を超える場合や、防火地域・準防火地域に設置する場合は許可が必要になるケースがほとんどです。

2025年建築基準法改正の主な変更点

2025年の建築基準法改正の主な変更点は以下の3つです。

  • 省エネ基準適用の義務化
  • 建築確認申請の必要範囲拡大
  • 緩和措置の適用条件

それぞれの詳細を見ていきましょう。

省エネ基準適用の義務化

2025年4月の建築基準法改正では、すべての新築建築物に省エネ基準が適用されます。テント倉庫も例外ではなく、一定条件を満たす場合はエネルギー効率を高めるための基準を満たす必要があります。

具体的には下記の対応が求められます:

  • 断熱性能の向上:テント素材の断熱性能向上や複層構造の採用
  • エネルギー消費効率の基準適合:BEI(Building Energy Index)で評価
  • 設計・施工段階での省エネ対策:あ計段階から省エネを考慮した計画

建築確認申請の必要範囲拡大

新たな改正では、これまで緩和されていた一部の仮設建築物についても、面積が10㎡以上のテント倉庫には建築確認申請が必要になります。申請先は特定行政庁または民間の建築確認検査機関です。

建築確認申請には、建築士が作成した設計図書や構造計算書などの書類が必要となります。これまで簡易な手続きで設置できていたテント倉庫も、正式な建築手続きが必要になる点に注意が必要です。

緩和措置の適用条件

国土交通省告示第667号による緩和条件を満たせば、一般建築物より低コストでの建設が可能です。条件は:

  • 延べ面積1,000㎡以下
  • 階数1
  • 軒高5m以下

これらの条件を満たさない場合は、通常の建築物と同等の基準が適用されます。例えば軒高が5mを超えるような大型のテント倉庫では、耐火構造や防火区画などの規定が適用される可能性があります。

建築物省エネ法改正のポイント

対象範囲の拡大

省エネ法の改正では、床面積300㎡以上の非住宅建築物が対象となります。テント倉庫も空調設備がある場合は省エネ基準への適合が義務化されます。

特に注意すべき点は:

  • 300㎡という基準:物流用途などの比較的大きなテント倉庫は該当する可能性が高い
  • 空調設備の有無:温度管理が必要な保管物がある場合は特に注意が必要
  • 用途による区分:使用目的によって求められる省エネ性能が異なる

求められる対応

省エネ法対象となるテント倉庫には以下の対応が求められます:

  • 断熱材の使用や断熱性能の向上:従来のテント生地より高性能な素材や複層構造の採用
  • 高効率な照明設備(LED等)の導入:従来の蛍光灯やHID照明からLEDへの切り替え
  • 空調設備の省エネルギー化:高効率の空調機器の採用

これらの対応は初期コストは増加しますが、長期的には光熱費削減につながります。LED照明への切り替えでは、初期投資が増えても2〜3年程度で投資回収できるケースが多いです。

2024年の関連法改正内容

消防法関連の改正

2024年には消防法関連でも変更がありました:

  • 防火管理体制の強化:一定規模以上では防火管理者の選任や消防計画の作成が必要
  • 収容物の危険物分類見直し:保管物品によっては追加の防火対策が必要
  • 消火設備・避難経路の確保に関する新基準:テント倉庫の構造に応じた対応が必要

都市計画法・土地利用関連

テント倉庫の設置場所についても制限が見直されています:

  • 用途地域ごとの設置制限の強化:住居系地域では制限される可能性がある
  • 農地転用における取扱いの変更:農地への設置には許可が必要になるケースが増加
  • 景観条例との関連性強化:景観計画区域内では色彩や形状に制限がかかる可能性

企業への影響と対応策

既存テント倉庫の適合問題

既存のテント倉庫は、新法適用までに適合させる必要があります。ポイントは

  • 既存不適格となるケースの確認:現状の設備が新基準に適合しているか確認
  • 改修・補強工事の必要性の検討:構造補強や断熱性能の向上、消防設備の追加
  • 建替えを検討すべきケースの見極め:改修コストと効果のバランスを考慮

新規設置時の留意点

新たにテント倉庫を設置する際には、以下の点に注意してください。

  • 建築確認申請の手続き確認:設置予定地の自治体に事前相談
  • 省エネ基準を満たす設計・施工の検討:初期段階から省エネを考慮した設計
  • 緩和措置適用可能性の確認:条件を満たせば手続きやコストを抑えられる可能性

法令違反リスクの回避

法令違反を避けるためには:

  • 専門家への早期相談:建築士や行政書士など、専門家のアドバイスを受ける
  • 自治体との事前協議:計画段階で建築指導課や消防署と協議
  • 設計・施工業者との情報共有:最新の基準に適合した計画を立てる

まとめ:適切な対応で安全かつ合法的なテント倉庫運用を

2025年4月の法改正により、テント倉庫の設置基準は厳格化されます。主な変更点は、

  1. 省エネ基準の適用義務化:すべての新築建築物に省エネ基準が適用
  2. 建築確認申請の必要範囲拡大:面積10㎡以上のテント倉庫には建築確認申請が必要
  3. 既存テント倉庫の適合問題:既存のテント倉庫も新基準への適合が求められる

テント倉庫は引き続き、コスト面や設置の手軽さから多くの企業に活用されるでしょう。しかし、法令遵守のためには最新の規制を理解し、適切な対応を取ることが重要です。専門家への相談や、信頼できる業者との連携を通じて、コンプライアンスを確保しながら効率的な事業運営を実現しましょう。

法改正は一見すると負担増に感じられますが、長期的には建築物の安全性向上やエネルギーコスト削減につながります。将来を見据えた戦略的な対応で、企業価値の向上にもつなげていきましょう。

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